NBA: カーメロのロケッツ入団に関する考察
こんにちは!
NBAで実績がありながらここまで所属先の決まっていなかったカーメロ・アンソニーですが、先日噂されていたロケッツ入団が決まりました。ロケッツは昨シーズンチャンピオンチームのウォーリアーズを最も追い詰めたチームです。
カーメロの加入がロケッツに及ぼす影響について見ていきたいと思います。
良い影響
SFの枚数
昨シーズンの先発であったアリーザと有能なロールプレイヤーであるバームーテが抜けたロケッツは、SFのポジションに人材が不足気味でした。実績のあるカーメロの加入は、単純にSFの選手層を厚くできると思います。
契約内容
ベテランで身体能力も落ちているとはいえ、カーメロほどのプレイヤーをベテランズミニマムで取れたことは大きいです。戦術面でカーメロがフィットしなかった場合でも、今後のチームの運用に影響を及ぼしにくい契約になりました。
モチベーション
今までリングを持っていないカーメロにとって、優勝候補であるロケッツでプレイすることは何よりものモチベーションになります。やはりプレイヤーにとって優勝することは何よりもの名誉になるので、カーメロのモチベーションは上がっていると思います。
アイソレーション能力
ロケッツの基本的なオフェンスの形は、ポールとハーデンによるピックアンドロールです。ほとんどのオフェンスがポールとハーデンがボールを持つところから始まるというのは、ロケッツの弱点です。現にプレーオフでポール離脱後、ハーデンに頼り切ったオフェンスをせざるを得ませんでした。カーメロは自分がボールを持ってオフェンスを開始でき、アイソレーションで点を取れるので、ロケッツとしては、上手く組み込めば強力なオプションになると思います。
悪い影響
ディフェンス
カーメロはディフェンスレスな選手です。前任者のアリーザと比べるとディフェンスの質はかなり見劣りします。ロケッツはハーデンにオフェンスを頼る一方で、アリーザという優秀なペリメーターディフェンダーがハーデンの弱点を補完していました。カーメロがディフェンスで穴にならないためには、ハーデンもしくはカーメロ自身のディフェンス意識の向上が必要でしょう。
ボールシェア
カーメロはボールを持ってオフェンスをし、自分で完結するインスタントスコアラーです。そして、ロケッツにはリーグで屈指のスコアラーであるハーデンと司令塔のポールがいます。ポール加入時もハーデンとのボールシェアが不安視されていましたが、ポールとハーデンで噛み合わないということはありませんでした。しかし、こうもボールを持つプレイヤーが集まってくると、オフェンスが停滞して既存のシステムまで壊れてしまう可能性もはらんでいます。まさに諸刃の剣と言えるでしょう。
ライアン・アンダーソンの処遇
ロケッツは、不良債権となってしまったアンダーソンをどう使えるかが鍵になってきます。アンダーソンは典型的なストレッチ4でディフェンスがザルと、カーメロと併用するとディフェンス面で危険でしょう。アンダーソン自体はシステムにもマッチしていますし、少人数ローテを組むダントーニのシステムにとって、怪我を防ぐ意味でも強力なオプションになり得ると思うのですが、カーメロと若干役割が被っているこのフォワードをどうするのでしょうか。
スターティングメンバー
カーメロ自身はサンダーから放出される前に自身は控えでプレーせず、先発でプレーすべきと述べていることから、先発でプレーした方がカーメロ自身のモチベーションは上がりそうです。ただ、ディフェンス面の問題や、アイソレーションを得意とするカーメロの特性は、現状では6thマンが一番向いているのかもしれないです。カーメロがそれを受け入れるのか、ロケッツがどのような判断をするのか見てみたいと思います。
スポットシューターとしての適正
何度も言うようですが、ロケッツのオフェンスはポールとハーデンのピックアンドロールが基本です。そこからキックアウトかインサイドへのパスかアイソレーションという段階に移っていきます。カーメロは残念ながらサンダーでスポットシューターとしての適正を示すに足る成績を残したとは言い難いです。ロケッツとしては周りを固めるシューター陣の確率は高いに越したことはないので、カーメロがそこに苦労するとちょっと心配です。
以上がカーメロ加入によるロケッツのポジティブなポイントとネガティブなポイントです。ポール加入時にも言われていたようにボールシェアが大きな課題でしょう。どうなるのか、ロケッツの手腕に期待しましょう。それでは!