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スポーツに関する話題

MLB: 活発化するトレードと契約形態/日本との違いとは?

こんにちは!

 

NBAではサマーリーグ渡邊雄太選手がデビューしました。チーム内で4番目に長いPT20で8p.4r.2a.2bの成績を残しました。ハイライトしか見ていないのでなんともいえませんがここからではないでしょうか。NBAのコートで躍動する姿に期待しています。

 

今回は野球の話題です。MLBでは、主力選手のトレードというのは常です。よほどの看板選手でない限りはどの選手もトレードの駒となりうる世界です。今年もすでにレイズのCPアレックス・コロメ(→マリナーズロイヤルズのCPケルビン・ヘレーラ(ナショナルズといった選手たちがトレードされていますし、オリオールズのマニー・マチャドもトレードの噂が絶えません。なぜ、こうも主力選手をトレードで出すのでしょうか?そして日本でそれが起こらないのはなぜか?ということについて考えてみたいと思います。

 

トレードされる選手

まず、どのような選手がトレードされやすいかということについて考えてみたいと思います。トレードで放出される選手は、①残りの契約年数が少なく、②リビルドチームに所属していて、③他のチームからの需要がある選手です。①について、MLBはルーキー契約を除いて(日本との違いは後述します)自動FAとなります。契約年数が終わったら勝手に移籍市場に入るわけですね。オフに再契約を結ばないだろう主力選手、タダで出ていかれるよりはトレードでプロスペクトとった方がいいという合理的判断によるものです。②について、リビルティングをしているチームは目先の勝利に興味がありません。また、中途半端に勝ってしまうと指名権の順位が後ろになってしまいます。よって、半ば負けにいくために主力選手をプロスペクトとトレードしたい。③について、トレードというのは需要と供給のバランスが一致して初めて成立するので、もちろんですね。

 

近年のトレードでは、2016年、ヤンキースがリビルティングを決意し、当時の主力であったアロルディス・チャップマン(→カブスアンドリュー・ミラー(→インディアンズ)カルロス・ベルトラン(→レンジャース)などを放出してプロスペクトを獲得したのが有名でしょうか。現にこの3チームはプレーオフに行って、カブスは優勝、負けましたがインディアンズはワールドシリーズ出場という結果を残しました。このように、3つの条件が揃うとトレードの噂が立ちやすいです。ただ、前述のトレードでいうとチャップマンはそのオフでヤンキースに戻っているので、リスクがあるのも事実です。

 

日本のトレード

しかし、日本でこのような形でトレードが成立することは非常に少ないです。まず単純にトレード件数が少ない。昨シーズンでいうと谷元圭介(→中日)が上記の3点に近いトレードでした。日本では、トレードは単純な戦力補強という側面よりも、チームを変えることで選手の気持ちを変えよう、ポジションがダボついているからトレードしよう、という理由が多いです。大田泰示(→日本ハムなどがこのような例です。では、なぜMLBのようにトレードが頻発しないのでしょうか?

 

日本の契約体系

日本はアメリカと違い、FA権を取得し、それを行使するまで他球団に自由契約以外の形で移籍することができません。ですので、ドラフト指名されてから(最短でも)8.9年はその球団の持ち物です。契約更改でも、日本では球団が年俸を提示し、選手がそれに合意する形です。もし納得がいかなくてもあくまで保留という手段しか持たされていません(年俸調停もありますが割愛します)。球団の力が非常に強いんですね。なぜ、自動FA(日本でいう自動自由契約)でないのかというと、今年の村田修一のようなベテランで契約年数を終えたらどこも契約してくれないというのを防ぎたいそうです。アメリカと違って球団にリスクが少ない、所謂死刑囚と呼ばれる選手が発生しづらい方式となってます。日本では、①が残り契約年数が少ないではなく、FA権取得まで残り何年かになるんですね。つまり、再契約の公算が高めなので、トレードが行われません。②、③ですが、日本のドラフトが完全ウェーバーでなく抽選で、MLBほど優勝に価値がない(12球団しかない)、そして保有選手が少ないので、リビルティングしていても主力選手を出すメリットが少なく、逆に勝っているチームも若手有望株を出してまで、となってしまうんですね。これが日本でトレードが成立しにくい理由です。

 

以上がアメリカと日本の契約体系などによる違い、そしてそれによるトレードの頻度の違いです。個人的には選手の移籍が活発になった方が面白いと思っているので、日本でもトレード件数や移籍が増えてほしいのですが、現状そうはならなそうです。それでは!